2008年3月3日
生活協同組合連合会コープネット事業連合
天洋食品(中国)製造の「CO・OP手作り餃子」による重大な中毒事故を発生させ、組合員の皆さまをはじめ、多くの方々に多大なご心配・ご迷惑をおかけしていることを深くおわび申し上げます。
コープネットは、事故の発生以降いただいた多くの意見を真摯に受け止め、商品の品質管理や安全対策の再構築に向けて取り組んでおります。
あわせて、中国製商品の取り扱いについての検討をすすめてきました。 緊急に対応している内容と考え方についてご報告いたします。
中国製商品取り扱いの緊急対応について
1.事故を契機に緊急対策として製品の農薬サンプル検査を実施してきました。この検査では高濃度の検出はなく、コープ商品では基準違反となる事例もありませんでした。
2.一方で、事故発生以降、中国製商品の利用は極端に減り、組合員の皆さまからも、取り扱いについてさまざまなご意見をいただいてきました。
3.また、中国固有の問題として、国全体の農薬や衛生の管理状況、情報管理や情報公開の問題など、あらためて評価が求められている状況にあります。今後の中国製商品の取り扱いに関して、品質管理レベルがこれまでどおりで十分なのか、販売者責任を果たすために、再度問い直す必要があると考えました。
4.これらのことを踏まえ、共同購入では2月の時点で全面差し替えができる商品カタログ3月4回の企画から、中国製商品(原産国中国)の扱いをいったん見合わせ、あらためて一品一品評価しながら品揃えを見直すこととしました。また、店舗もできる限りの代替えをしながら、順次、見直しを行うこととしました。
5.今回の緊急対応は、「中国産商品は安心できない」という、利用動向や組合員のご意見を受け止めて実施するもので、中国製商品すべての排除を目的としたものではありません。
【中国製商品の当面の取り扱いについて】
●共同購入
現状の取り扱い品目数(2月11日〜3月22日の6週分の取り扱い実績、および取り扱い予定)は165品目、3月4回(3月24日〜配達)以降の取り扱い予定品目数は33品目となります。
●店舗
現状の取り扱い品目数は合計で313品目です(農産・水産・畜産・日配・菓子・食品合計、2月28日現在)。
今後は、春の売場変更を通じて代替え可能な商品への切り替えを行っていきます。あわせて、利用状況等も見極めながら、利用の少ない商品の中止なども検討します。
輸入商品、中国製商品の考え方
1.コープネットは、「組合員のふだんのくらしに役立ち、より豊かなくらしづくりに貢献するため、よりよい商品を少しでも安く提供する」ことを政策の基本にしています。
2.一方で食の国際化の中で、日本の食料自給率はカロリーベースで39%まで低下し、輸入食品を抜きに、「食料の安定確保」や「ふだんのくらしに役立つ価格での提供」は困難な状況です。
3.コープネットでは、輸入食品の取り扱いは以下の点に留意することとしています。
(1) くらしに必要な品揃えを実現するために、国産商品と輸入商品を適切に組み合わせて配置します。
(2)自給率を高めることを重視し、輸入食品の多い分野でも国産商品の利用を広げる視点で品揃えします。
(3)正確な情報を提供し、正しい理解を広げながら商品提供をすすめます。
(4)輸入食品も国産食品と同じ基準で取り扱い、生協としての販売者責任を果たします。
(5)輸出国の環境保全、適切な労働環境、労働力の確保などに留意します。
(6)商品の開発や取り扱い手順にもとづいて管理します。
4.中国産の食品の考え方
(1)中国は、日本の輸入食品(穀物除く)のうち金額で23%を占める最大の輸出国です(2006年総務省)。
原料まで含めると4割近くにもなります。人件費の安さだけでなく、骨抜き切身など日本では難しい細かい作業や、温暖な気候と広大な土地を利用した農産物の栽培など、数々の利点を生かした食品製造を行っています。
(2)こうした実情も踏まえて、コープネットでは他の国と同様の取り扱いをしてきました。
(3)今回の重大事故の真相は明らかになっていませんが、これまでの品質管理の仕組みに問題があり、追加の対策・基準が必要と考え、現在検討をすすめているところです。
食料・農業の視点
1.コープネットは昨年、日本の食料・農業のあり方を問い直し、
(1)日本の食料自給率を高めることを重視する
(2)自給力を高め、持続可能な循環型農業を推進する
(3)日本農業の再生と安定的な発展のために、産地や生産者団体との協力関係をさらに強くする
(4)食育を推進し、食事バランスを大切にし食生活を見直す
などの考え方をまとめました。
2.穀物を除く日本の食料輸入金額は中国が第1位ですが、穀物を入れると1位米国、2位中国、3位豪州となり、この3国からの輸入が全体の3分の2になります。私たちは中国からの輸入を減らすのではなく、米国や豪州も含めて、一部の国からの輸入に大きく依存している現状をあらためて問い直しています。
3.世界の食料事情は急激に変化しています。安定して食料を供給していくためには、早急に日本の農業(漁業・畜産業)を再生・活性化する必要があると考えています。
4.そのことを前提にしても、日本国内だけですべての食料がまかなえる状況にはありません。安全・健康は国民全体の願いであり、誰でもが利用できる商品を開発、販売していくことが生協の使命と考えています。日本の自給率を上げるとともに、世界的な(まずアジアから)食の持続可能性を確保する取り組みが必要です。そのためにも時間をかけて信頼関係を築いていくことが重要です。
中国製商品の再開についての考え方
いったん中止した商品を再開するにあたっては、1.再開する理由を明確に説明できること、2.今回のような事態も想定した品質保証の裏付けがきちんとされていること、などが条件となります。また、中国製商品の取り扱いを再開したとしても、食料自給率を高めることを重視し、国内農業の活性化に寄与できるような商品提供に心がけていきます。