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洗剤と水環境 洗剤(各種界面活性剤)の環境影響評価と品揃えの考え方
コープネットは、「洗剤と水環境」の評価・考え方を以下のようにまとめました。
各会員生協での積極的な検討をお願いします。
くらしと水環境
(1)  河川の水質は改善されてきていますが、湖沼や内湾などの閉鎖水域の水質は改善されていません。生命を守り、環境を維持・改善するうえでも、水環境を守り、改善することは大きな課題です。
(2)  水環境への負荷を減らすために、より多くの組合員が参加できる取り組みを大切にします。生活廃水全体を減らすことを大切にした取り組みをすすめます。
(3)  下水道などが整備されれば、生活廃水を直接環境中に排出することは無くなります。生活廃水を直接環境中に排出しないためにも、下水道などの整備を重視し、自冶体などへ働きかけをすすめます。

くらしと洗剤
(1)  どんな洗剤でも環境中に直接排出されれば環境に負荷をあたえます。
 洗剤の界面活性剤は、種類によって「有機物汚濁」「生分解性」「水生生物への影響」などの環境影響評価では優れた面と劣る面を持っており、すべての面で優れた界面活性剤はありません。
(2)  洗剤は環境中、下水道に排出される化学物質の中では量の多いものの一つです。
 どの界面活性剤を主成分とする洗剤でも、使用量を減らし排出量を減らすことが大切です。
 また、洗濯廃水を含めて、生活廃水を全体として減らす取り組みが重要です。
(3)  どの界面活性剤を主成分としている洗剤を使用している組合員も参加できる、くらしの見直し、洗剤の使用量を減らす取り組みをすすめます。
 「一度着たから洗う」など洗濯の仕方、洗剤の使い方の見直しをすすめます。
 洗剤の適正な使用量を守ることから始め、更に使用量を減らすこと呼びかけます。
(4)  日本生協連はせっけん・複合せっけんを環境に配慮した商品として、環境統一マークを付けてきましたが、せっけん・複合せっけんの環境負荷が他の洗剤と比較して少ないとする客観的な根拠をしめすことが困難であることから付けないことになりました。

洗剤の品揃え
(1)  水環境への負荷では「より良い洗剤」という考え方はできません。洗剤の使用量の削減を呼びかけながら洗剤の提供をすすめます。組合員の選択に役立つ正確な情報提供を行いながら洗剤の利用をすすめます。
(2)  くらしに必要な洗剤を品揃えし、生協での利用をすすめる考え方で、各種洗剤(界面活性剤)を提供します。通常の使用ではLAS系洗剤に問題はありませんので「利用する利用しない」という消費者の選択の権利も尊重し「品揃えをしない」との考え方は取りません。
 利用者の多いLAS系の洗剤も品揃えすることで、洗剤の使用量を減らす呼びかけの機会を増やします。

洗剤とは
 洗剤は汚れを落とすものですが、汚れを落とす主成分の「界面活性剤」、その働きを助ける「助剤」「酵素」「蛍光増白剤」「香料」などが配合されています。
1
界面活性剤
   汚れを落とす主成分が界面活性剤です。界面活性剤の種類は洗剤容器に記載されており、「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)」「アルキル硫酸エステルナトリウム(AS)」「ポリオキシエチレンアルキルエーテル(AE)」「脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウム(せっけん)」「アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)」などが多く使われています。また、洗剤は多くの場合、何種類かの界面活性剤を組み合わせて使用しています。

1・「直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム」LAS
 ABSに代わって1970年頃から普及が始まり、現在でも主要な界面活性剤の一つとして多くの家庭用洗剤に使用さ
れています。過去にLASは「生分解性が悪い」という評価をしていましたが、これまでの研究成果をふまえて生分解性、
魚毒性、有機物の排出量を総合的に見た場合には、環境への負荷は他の界面活性剤との大きな差はありません。
2・「アルキル硫酸エステルナトリウム」AS
 日本では毛糸用の洗剤として普及をしてきましたが、高級アルコール系として洗濯用洗剤以外にも、台所用洗剤や
ハミガキ、シャンプーなどにも使われています。コープのセフタ−Eにも使用しています。
3・「ポリオキシエチレンアルキルエーテル」AE
 非イオン系界面活性剤で、洗剤のコンパクト化の中で急速に普及がすすみました。現在はLASよりも多く使用される
界面活性剤になっています。コープのセフタ−Eにも使用しています。
4・「脂肪酸ナトリウム・脂肪酸カリウム」せっけん
 牛脂やヤシ油または脂肪酸と、カセイソーダ(水酸化ナトリウム)を反応させて作ると脂肪酸ナトリウムのせっけん(固
形粉末)になります。また、動植物油脂を木灰(炭酸カリウム)と反応させて作ると脂肪酸カリウムのせっけん(液状)に
なります。
2
助剤
   汚れを落とす主成分の界面活性剤の働きを助けるために配合されているのが「助剤」であり、洗剤の容器包装には、「ゼオライト」「ケイ酸ソーダ」「炭酸ソーダ」「硫酸ソーダ」「カルボキシメチルセルロース」などと記載されています。
 助剤には次のような働きがあります。

・洗剤の粉末の形をととのえて溶けやすくする。
・水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンをおさえて界面活性剤の働きを助ける。
・界面活性剤が溶けた洗濯液をアルカリ性に保ち、界面活性剤の働きを助ける。
・界面活性剤の濃度が低くても汚れを落とす効果を高める。
・界面活性剤の効果で落ちた汚れが衣類などに再付着することを防ぐ。

3
その他の成分
   界面活性剤、助剤以外にも、洗剤に配合されているものがあります。
・たんぱく質など、界面活性剤では落としにくい汚れを分解させるための「酵素」
・香りをつける「香料」
・洗い上がりを白く見せる「蛍光増白剤」

洗濯用洗剤の表示区分

蛍光増白剤は問題ありませんか?
1970年代に発がん性が報告されましたが、その後
の研究では発がん性は否定されています。その他の毒性
試験でも特に問題はないとされています。洗濯本来の意味
は清潔を保つということです。蛍光増白剤はどうしても配
合が必要な成分ではありません。必要に応じて使い分けを
することが実際的です。

界面活性剤と環境
1
有機物の排出量
  図洗剤からの有機物の排出量(少ない量のほうが良い) は、せっけんが一番多くなっています。
2
生分解性
  図洗剤の生分解性(早く分解した方が良い)は、せっけんと高級アルコール系が同じ程度に良くなっています。
3
水生生物への影響(急性毒性)
  図水生生物への急性毒性は、指標にする生物で変りますが、せっけんの毒性は他の界面活性剤に比較して低くなっています。
 
 以上のように有機物の排出量、生分解性、水生生物への急性毒性の点から見て、界面活性剤には、それぞれ一長一短があり、すべての点で優れている界面活性剤はありません。各種の界面活性剤を比較した場合、せっけんが他の界面活性剤に比較して明らかに環境負荷が低いと評価することも困難です。

 <日本水環境学会>「Q&A水環境と洗剤」より
界面活性剤 毒性に関わる因子 暴露に関わる因子
水生生物への急性毒性 流出量(排出量) 残留性(分解性)
LAS B B C
AOS C B B
AS B B A
AES B B B
AE C A A
α−スルホ脂肪酸エステル C A B
脂肪酸塩(せっけん) A C A
2000年  

  ※相対評価で、A:好ましい、B:中間、C:好ましくない
  ※各項目の評価を単に足しても総合的に判断することは難しい。
  ※多くの界面活性剤が下水道処理場で9割以上除去されているので、
    界面活性剤による差は少ない。


日本生協連コープの石けん・複合石けんへの環境統一マークの表示問題のまとめ
(1)  1990年に日本生協連コープの石けん・複合石けんについて、「LASに比べて生分解性が良い」という点から「環境にやさしい商品」と認定し、環境統一マークを表示しました。
(2)  その後、環境ラベルに関するISO規格の発行、エコマークの基準整備の動きを受けて、1999年に日本生協連の環境配慮商品の基準を整備して、運用を見直しました。石けん・複合石けんについては、環境配慮商品としての基準書がないまま(=環境配慮商品であることの根拠を示せないまま)環境統一マークを付け続けています。
(3)  環境配慮商品については、国際的な環境ラベルの規格や、優良誤認や誤解に対する厳しい見方に耐えられる環境配慮商品基準とマークの表示がより強く求められてきます。こうした環境ラベルの今日的要件から判断して、今後も石けん・複合石けんに環境統一マーク表示を続けることはできません。
(4)  日本生協連の見解でも、また日本水環境学会の見解でも、洗剤の環境負荷を減らすためには、洗剤の使用量を削減することが重要であることは共通しています。
(5)  日本生協連は、組合員の声で改善をすすめるコープの洗剤の普及にひきつづき努力するとともに、商品設計としても、家庭での使い方としても洗剤の使用量の削減をすすめていきます。
  「日本生協連2004年第1回環境政策委員会」

下水処理について
1
下水処理の普及状況
   全国の下水処理人口普及率は65.2%(2002年度末)、下水道に浄化槽等の汚水処理施設を加えた合計の普及率は73.7%(2001年度末)となっています。1年に1〜2%のペースで普及率は上昇しています。
 ただし、都市の規模による普及率の差も大きく、政令指定都市では98%ですが、人口5万人未満の市町村では32%にとどまっており、汚水処理施設のいっそうの普及が重要です。
2
家庭の台所や洗濯からの廃水に対する留意
   下水処理を効果的に行うために、家庭から洗剤を始め有機物や化学物質などの排出を減らして、下水処理場の処理負担を減らすことが大切です。もちろん下水処理がされない場合も大切なことです。どの洗剤を使うにしても、排出量を抑制し、下水道施設、あるいは河川への環境影響を抑えることが必要であるのは全国共通の課題です。

※2001年4月1日から改正浄化槽法が施行され、下水道整備計画の地域では合併浄化槽の設置が義務付けられました。


LASとPRTR法  1999年に「特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善促進に関する法律(PRTR法)」が公布されました。この法律は、有害性のある物質の環境への排出量を把握したり化学物質の移動状況を管理したりするものです。対象となる物質は、第1種、第2種あわせて約430物質あります。この中にLASとAEも入っています。

 PRTR指定化学物質 1.有害性 2.暴露性の要件から指定
●界面活性剤として使用される対象化学物質
指定化学物質には6種類の界面活性剤が含まれています。家庭用品に使用されているのは、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(LAS)及びその塩類、N、N-ジメチルドデシルルアミン(N-オキシド)、ビス(水素化牛脂)ジメチルアンモニウム、ポリオキシレンアルキルエーテル(AE)の4種類です。
図
日本石鹸洗剤工業会サイトより
※1.対象物質となっている洗剤は、現状の環境濃度では最大許容濃度より低く生態系へのリスクは小さいものと考えられています(日本石鹸洗剤工業会)。
※2.LASなどは使用量、排出量が多いものであり、排出量を把握し、使用の削減につながる管理をすることは大切なことです。

PRTRのデータをどう読むのか

   

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